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漢方薬についてMedical and Scientific Committee

医科学委員会情報 「漢方薬について」


2013-1 平成24年度第2回加盟団体連絡会議でJADA(日本アンチドーピング機構)からはじめて説明がありましたのでご紹介します。

現在のドーピング防止規則は、漢方薬には対応していません。
ドーピングとして禁止される「物質」と「方法」はWADA(世界アンチドーピング機構)規定禁止表国際基準で定められています。そして、医療上の理由で禁止物質、禁止方法を使用する場合、TUE(治療目的使用に係る除外処置)を申請し、その禁止物質を使用することがWADA規定TUE国際基準の付与の基準(参考@)に該当するかを審査します。

TUE申請は「禁止物質」名を申請して、「物質 」を審査し、承認する制度です。

複数の物質が配合された配合薬は、成分の「物質」ごとに審査を行う必要があります。漢方薬は様々な物質の混合物で、主成分の「物質」以外にも様々な「物質」が含まれる可能性があります。

*「禁止物質」の麻黄を成分にふくむ小青竜湯をアレルギー性鼻炎の治療目的で使用したい場合
 →麻黄に含まれる「禁止物質」「エフェドリン」をTUE申請すれば、エフェドリンについて審査を行います。しかし、 アレルギー性鼻炎の治療は「エフェドリン」以外の禁止されていない物質で治療可能なので、承認されません。
 一般的に漢方薬をしなくても疾患の治療は可能と考えられています。

*「禁止物質」を含むかどうか、はっきりしない漢方薬を治療目的で使用したい場合
 →含有する「禁止物質」を特定しないかぎり、TUE申請ができません。

漢方薬でTUE承認は難しい状態です。
漢方薬を内服し「禁止物質」が検出された場合は、「ドーピング防止規則違反」と判断されることになります。

漢方薬はTUE申請が困難であり、申請した場合でも配合された他の物質が禁止物質を含んでいる可能性があるため、原則漢方薬は服用しないようお願いします。

参考@ 
TUE国際基準の付与の基準
以下の4条件をすべて満たすことが必要です。
・治療上使わざるを得ない(使用しないと健康に重大な障害を及ぼすことが予想される)
・治療上使用した結果、健康を取り戻す以上に競技力を向上させる効果を生まない
・他に代えられる合理的な治療法がない
・ドーピングの結果生じた副作用の治療ではない